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【水銀灯の生産終了】2020年に生産が終了する水銀灯の種類とは?

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工場、倉庫、街路灯、体育館、運動場、などなど、天井の高いところの照明の多くは水銀灯というランプが使われています。そんな身近に使われている水銀灯が、2020年に生産が終了されることをご存じでしょうか?

正確には、水銀灯にはいくつかの種類があり、その一部が生産終了となる事が決まっています。

この記事では、水銀灯が規制されることとなった背景や、規制される水銀灯の種類についてわかりやすく解説します。

水銀の有毒性 〜なぜ水銀が規制されるのか〜

水銀が何となく有害だというのは皆さん認識があると思います。最も有名な事案として、四大公害病の一つである「水俣病」が挙げられます。

水俣病は、熊本県水俣市にあった新日本窒素肥料(当時)が、生産過程の中で副産物として発生したメチル水銀をそのまま水俣湾に排水し、そこで魚類の食物連鎖により生体濃縮が生じた事で、その魚類を食べた人間に生じた神経系の疾患のことです。ちなみに、このメチル水銀は「有機水銀」と呼ばれるもので、大変毒性の強い水銀です。一方、ランプで使われる水銀や自然界に存在する水銀は「無機水銀」と呼ばれ、それほど強い毒性はありません。ですが、無機水銀は長い年月をかけて微生物の分解により有機水銀へ変わる為、廃棄についてしっかり規制していかなければならないのです。

日本が水銀規制にこだわる理由 〜水俣条約とは〜

水銀汚染は健康被害や環境破壊につながります。それは多くの国にとっても好ましい状況ではなく、2001年に国連環境計画(UNEP)が水銀汚染を防ぐ活動を開始しました。2009年には水銀規制に関する条約を制定する為、政府間交渉委員会が設置されました。日本は、世界的に見ても非常に甚大な被害を出した公害である水俣病の経験を踏まえ、積極的にこの条約を制定するよう世界に働きかけてきました。その貢献が認められてか、2013年にジュネーブで条約が合意した際に、条約名を「水銀に関する水俣条約(Minamata Convention on Mercury)」とする事が提案され、全会一致で決定されました。

つまり、日本はただこの条約に参加した国という立場ではなく、世界にむけて率先して取り組み、模範となるような成果を上げなくてはいけないという背景があるわけです。ですので、これから水銀使用製品の制限や使用済みのランプ類の廃棄について一層厳しく法整備がなされる事は避けられないのです。

いち
日本の立場を考えると、水銀を所持することはプラスにはならないと言えます。

水銀灯の種類を解説 〜2020年に規制されるものはどれか〜

最後に、2020年に規制させる水銀灯について解説します。

主に水銀灯と呼ばれるものは下表のような種類があります。

2020年に生産終了されるランプは一般水銀灯及びバラストレス水銀灯(セルフバラストとも言います)となります。一方、水銀含有率の低いメタルハライドランプなどの照明は継続して生産される見込みですが、原料の水銀が輸出入の制限などの問題があり、遠くない将来には製造が困難になる見込みで、大手電機メーカー各社は生産縮小を発表し、水銀を全く必要としないLED照明への切り替えを推奨しています。

いち
水銀を使用しない照明は、実用的なものではLED照明しかないのが現状です。

まとめ

水銀は私たちの生活の中で、様々なところで使われています。ですが、一歩間違うと大きな環境破壊の元となってしまう危険性をはらんでいます。

今、世界のトレンドは脱水銀であることは間違いありません。代替品が出揃っている中で、水銀を所持し続けることはリスクになる可能性が大変高いとも言えます。とは言え、まだまだ法整備も不十分な中ですので、今のうちに可能なところから、水銀を無くしていくようにしてみてはいかがでしょうか。

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